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コンビニの「もったいない」何個分?―全国で1日650万個のおにぎりが消える現実

全国のコンビニが1年間に廃棄する食品は推計20〜30万トン。その量は1店舗あたり毎日10〜15 kg、ざっくり“おにぎり約100個分”にあたる。本稿では日本全体の食品ロスの最新数字、コンビニ業界特有の要因(3分の1ルール・機会損失・「廃棄=売上の2%以内」目標など)を整理したよ。

🌈今日のMISOLOG

朝の通学路で寄ったコンビニ、廃棄対象になったお弁当を見てちょっと胸が痛む…。そんな経験、みんなもあるよね?🤔

今回はそんなコンビニがどの位の量のフードロスを行っているか調べてみたよ。

 

日本の年間食品ロスは472万トン(令和4年度推計)で、事業系が236万トンと家庭系をほぼ並走。数字をおにぎりに換算すると、国民一人が毎年約340個分を捨てている計算だとか。(maff.go.jp)農林水産省のHPは色々な情報が掲載されているので面白い。

このうち食品小売業全体で49万トン(maff.go.jp)で、その中でもコンビニ業態だけで20〜30万トン/年、日本全体の約3~5%と決して小さくないインパクト。(advertimes.com, marketing.sellwell.jp)

1店舗あたりは?

おにぎり1個を約110 gとすれば、1店舗で1日あたり約90〜140個がゴミ箱行き。

全国のコンビニの店舗数は57,000件と言われているので513万~798万個のおにぎりが毎日破棄されている計算になる。


どうしてそんなに捨てちゃうの?

  1. 3分の1ルール
    賞味期限を3分割し、最初の1/3で納品、次の1/3で店頭販売――という商習慣。期限が1を1日でも過ぎれば返品・廃棄、ロス発生。(naruhodosdgs.jp)

  2. 機会損失とのせめぎ合い
    品切れは売上ロス=「機会ロス」。発注を絞れば廃棄は減るけど売れ残せばチャンスを逃す。コンビニ各社は2%は廃棄されることを前提に発注を行っている。(leo.aichi-u.ac.jp)

  3. 売り上げ至上主義
    フランチャイズ会計では廃棄コストの80%以上を加盟店が負担。本部はロイヤリティを売上高に掛けて取るため、店舗は「少し廃棄しても機会ロスを防ぎ売る方が利益」というジレンマに陥りやすい。(asahi.com)


大手3社のフードロス削減策

会社 主な取り組み 補足・実績
セブン‑イレブン nanacoボーナスポイント付き値引き(2021〜全国)・残渣を堆肥化し自社農場「セブンファーム」で野菜栽培→店舗販売 セブンファームは全国11拠点、2024年時点で年間約5,000tの食品残渣を循環活用
ローソン ・値引きおにぎり×寄付プログラム「FOOD GOOD SMILE」(2025/8〜11)・「朝割」「夕割」の段階値引き、AI発注で廃棄率抑制 2018年度比で食品廃棄量▲23.1%(2022年度実績)
ファミリーマート ・「ファミマのエコ割」涙目シールによる時限値引き(2024/3全国)・売れ残り品をフードバンク・フードドライブへ寄贈 2024年度は約1,600tの商品を寄贈、廃棄コスト20%圧縮

改正食品リサイクル法 & 食品ロス削減推進法

  • 改正食品リサイクル法(2024改正):事業系食品ロスを2030年度までに2000年度比で半減する数値目標を法定化。コンビニを含む小売業は①食品廃棄物等の発生量・リサイクル量の年次報告、②基準発生原単位(44.1kg/百万円)を下回る計画を義務化。これは売上100万円に対して、フードロスを44.1kg以下にしなければいけないということ。

  • 食品ロス削減推進法(2019施行)自治体と事業者に“削減促進計画”の策定を求める努力義務。コンビニは地域のフードドライブや寄付活動を行う場合、市町村の推進計画へ参画すると評価加点が得られる。

各社が基準発生原単位をクリアするための許容ロス量

基準発生原単位:44.1 kg/百万円(売上高) で計算すると、2024年2月期のチェーン全店売上高から逆算した“この値を超えるとNG”なロス量は下表のとおり👇

会社 チェーン全店売上高 最大許容ロス量 (44.1 kg/百万円)
セブン‑イレブン 5兆3,697億円  約23.7万 t/年
ローソン 2兆8,918億円  約12.8万 t/年
ファミリーマート 3兆6,929億円  約13.5万 t/年

全国コンビニ業界の推計ロス総量(20〜30万t)と照らすと、7‑イレブン1社の許容枠だけで業界総量を上回っているので基準が緩すぎる気がする。

美空の考察🌱

コンビニ大手3社がフードロス削減をうたう仕組みを導入しているけど、実際は消費者に努力を肩代わりさせているだけじゃない?🤔 それよりも、業界が長年当然視してきた下記の“構造”を根本から見直すのが先決だと思うんだ。

  • 3分の1ルールの撤廃・緩和
    本来まだ食べられる期間を過剰に短く区切ってしまう慣習をリセット。物流や棚割を柔軟化すれば十分回せるはず。

  • 機会損失ありきの発注思想の修正
    「売り切れ=悪」という評価をやめて、AI発注の目標関数を『粗利最大化-廃棄損』に置き換え、廃棄という行為が利益対してダイレクトにマイナス方向に働くようにする。この方が加盟店もお客様もハッピー!

  • 売上至上主義→総利益&環境指標重視へ
    ロイヤルティ計算やKPIを“売上高”だけに紐づけると、どうしても廃棄が“必要経費”化する。粗利や廃棄率、CO₂削減量を同じ重みで評価しようよ。

もちろん私たち消費者にだってできることはある。例えば衝動買いを辞め必要な物を適切な量だけ購入する。不必要な商品がお店に入荷しなくなるので廃棄ロスが減る筈。

消費期限が近づいてきた商品から購入するのももちろん効果的。でも初めに書いた通り、流通側が根本から見直すにが先。

まとめ💡💡

  • 日本全体:472万トン/年

  • コンビニ全体:20〜30万トン/年

  • 1店舗:年間4〜5.5トン ≒ おにぎり3万個!

  • 主因は「3分の1ルール」「機会ロスとのトレードオフ」「廃棄率2%目標」。

免責事項

本記事は公開情報・報道資料・IRデータ等をもとに、筆者(高坂美空)が独自に試算・整理した内容を含みます。数値は執筆時点で確認できた資料に基づく概算であり、今後の修正・更新によって変動する可能性があります。内容の正確性には細心の注意を払っていますが、その完全性・最新性を保証するものではありません。最終的な意思決定に際しては、必ず各企業の公式発表や公的機関の最新資料をご参照ください。また、本記事は所属団体や企業の公式見解を示すものではなく、あくまで筆者個人の見解です。